組織を極める

組織や人に関することが好きなので情報発信します

コロナウィルスのリスク対応と組織を元気にする取り組み

コロナウィルスは今のところ収束の兆しを見せず、猛威を奮っています。自分の想定以上の状況になり、リスク管理の甘さを反省しました。リスク対応だけではなく、組織の活性化も同時に求められる難しい局面に、組織や人事に関わる方も試行錯誤していると思います。僕が働くオズビジョンで実施した具体策を共有することで、何かしらのヒントになれば幸いです。

みんなの安全を守る施策

まず第一に考えなければ行けないことは働く仲間の安全です。そのために以下のような施策を実施しました。

  • リモートワークの推奨(その後、必須に)
  • Slackでの情報共有用のチャンネル作成
  • コロナウィルス対策マニュアルの策定
  • 困っていることリストによる可視化
  • リスクシナリオの検討

どんなことを実施したか、一つ一つ見ていきましょう。

リモートワークの推奨(その後、必須に)

中国でのコロナウィルスの拡大が報道されはじめた2/17の時点で、全社員のリモートワーク推奨を周知しました。現在は出社禁止(リモートワーク必須)です。もともと働く場所や時間を選ばない自律型勤務制度を導入していたため、それなりにスムーズにリモート体制へと移行ができましたが、派遣社員の方などへの対応も必要でした。正社員、業務委託、派遣社員など雇用形態に関わらず、リモートワークを導入しました。
リモートワークでお困りの方は、体系的・網羅的にまとめて頂いているソニックガーデン倉貫さんのブログをご覧ください。
www.sonicgarden.jp

Slackでの情報共有用のチャンネル作成

コロナウィルス関連の情報をリアルタイムに伝えたい、かつ、埋もれないように Slack では専用のチャンネルを立てました。日々更新されていく情報を発信することが目的です。また、人事部門だけではキャッチしきれていない情報を上げてもらってもいます。

コロナウィルス対策マニュアルの策定

「1、体調不良の場合」「2、社員が感染した・社員に感染の疑いがある場合」「3、社員が感染者と接触した場合」「4、出社時のルール」「5、来客時の対応」をまとめた対応マニュアルを作成しました。発生当初は不測の事態にどのような対応を取るのが良いのか、意思統一が図れていませんでした。「会議室は定員数の半分の人数で利用すること」などの細かいルールも明文化することで、実務的な行動基準まで決めました。

困っていることリストによる可視化

社員のみんなが困っていることを気軽に上げてもらえるようにスプレッドシートを準備しました。具体的にはこのような困りごとが上がってきました。

  • PCマイクだと音声が悪いので、マイクセットが欲しい
  • Wi-Fiが弱いとか容量制限がある等で会社と同じパフォーマンスが出せないケースもあるようなので、貸し出し用のルーターが欲しい。
  • 単純にみんなに会えないのが寂しい。しょーがないですが。
  • 全社会議(昼会)で、いつも以上に反応が見えず不安になる

設備から感情、一人暮らしや家族と暮らす人など、その人の状況によっても困りごとがたくさんあることがわかりました。率直なフィードバックを集めることで、みんなが不安なことを知ることができました。困りごとには、担当を割り振り、解決策を考え、人事・総務・情シスのメンバーで分担して対応しました。

リスクシナリオの検討

楽観(3〜4月に収束)、通常(6〜7月に収束)、悲観(年内いっぱい続く)の3つのパターンに分け、どのようなことが起こるかを想定し、対策を検討しました。組織面だけではなく、事業、財務を含めて行いましたが、組織にフォーカスすると、人事マネジメントシステムの運用が平時のようにできないこと、肉体的・精神的疲労の蓄積、組織文化の希薄化などの懸念があります。起こりうる未来を想定することで、いまやることを具体化することができました。

組織を元気にする施策

これまではリスク対応の話でしたが、それだけやっていても暗い雰囲気になりがちですよね。少しでもこの状況を前向きに進めるために以下の取り組みを実行しました。

  • テレビ会議システムの導入(zoom)
  • zoomによるシャッフルランチ
  • 全社会議の盛り上げ

リモートワークによって一人ひとりの状況が見えづらくなる中で、テクノロジーと人力を組み合わせて組織が元気になることを試みています。

テレビ会議システムの導入(zoom)

Googleのハングアウト(Meet)は導入済みではありますが、あえてzoomも導入しました。動きが軽く画質がよいこと、ハングアウトより顔が見やすいこと、録画ができることなどのメリットがあります。これまでハングアウトで行っていた1 on 1はzoomに変えることで、やりやすくなりました。また、zoomには背景を変える機能もあり、宇宙や原っぱから会議に参加することも可能です。年間2万円程度で有料版が利用できますので、投資対効果は十分と思います。
zoom.us

zoomによるシャッフルランチ

上述のzoomを利用して、お昼の時間にランダムな人とご飯を食べるシャッフルランチを実施しました。zoomには参加者を少数のグループに分けて個別にミーティングルームをつくる機能があります。普段なかなか話さないメンバーと一緒になることで部門を超えた交流促進にも繋がります。カジュアルな話題から本質的な話につながることがあったりと、いろんなメンバーと話をすることの大切さに気づきました。ランダムに部屋を割り振られるので、そのドキドキも楽しみですよ。

全社会議の盛り上げ

全員リモートで参加するミーティングは意外とやりづらいものです。そこで、お昼の会議のオープニングに「ウキウキWATCHING」を流してみました。うけたかどうかは聞かないでください。

最後に

日々状況が変わるからこそ、仲間を信じて、機動的・自律的な意思決定を進めていきたいですね。社会や組織を一回り成長させる機会と捉えて、困難を乗り越えて行ければと思います。

『自主経営組織の始め方 現場で決めるチームをつくる』を読んだ

英治出版さんから発売された新刊『自主経営組織の始め方 現場で決めるチームをつくる』を読みました。人生で初めて本をお送り頂くことも経験し、早く感想を書かなきゃと思っていたのですが、遅くなってすみません…
(実は自分でも予約していたので余った一冊は知人にプレゼントしました。)

メンバー一人ひとりが主体性を持ったセルフマネジメントチームをつくるために、必要な組織体制、役割、ルール(フレームワーク)について体系的、網羅的に記載されています。多様な事例が掲載されていたので、自分の考え方と照らし合わせながら読み進めることができました。その中でも気になった3つをあげます。

マネージャーの役割はファシリテーターである

「主体的なチームに変容するため、マネージャーは管理を手放し、ファシリテーションをする」ということが最も心に残りました。何をファシリテーションするかでいうと、以下のようなポイントが挙げられていました。

  • ファシリテーションするとは、結果だけではなくプロセスに関わること
    • チームと話し合うとき、内容(何が問題か)とプロセス(どう対処すべきか)を結びつける必要がある
  • 解決策を見つけるのはチームの仕事
    • マネージャーは辛抱強さが求められる。ただし、その忍耐がきっと報われる
  • チームは問題を解決できるが手助けが必要という前提で動く
    • サポートする動き方をすることでマネージャーが信頼を得る

仕事の成果(質と量の両面)は、チームメンバーが持つ

「チームメンバー全員で意思決定の責任を持つため、合意によって意思決定がなされる。」
合意と一般的にいうと、全員が意見を一致することと取りますが、本書によると反対意見がなくなるまですり合わせることとありました。要するに、反対ではないことが明確になればよく、あとは進める過程で認識が擦り合っていくのだろうと取りました。
そしてマネージャーがやっては行けない例も具体的に上がっていました。

  • チームに指示を出すこと
    • 自分たちで問題解決する場面を奪ってしまうため
    • マネージャーがチームを無能と思っていることを露呈するから

ルールではなく、フレームワークをつくる

「ルールとフレームワークの違いは、ルールは管理的な視点から生まれ、厳格に定量化される。フレームワークは実際の業務内容に基づき、個人の解釈の余地がある。」
一般的に個人の解釈の余地があることは悪いことであると受け取られます。しかし、柔軟性を持たせることが個々の考える力を養い、主体的な動きにつながると理解しました。さらに余白があることで、空白を埋めるための対話が増え、結果的にコンテクストが共有されていくんだろうなと思いました。


そして最後に第9章「対立に対処する」で引用されていた言葉です。

平和とは対立の不在ではなく、
平和的な手段で対立に対処できる能力のことだ。ーロナルド・レーガン

まさにおっしゃるとおり。このようなコミュニケーションをとるために、本書の途中にあった「妥協または譲歩する心構えができていること」も大事なことだなと噛み締めました。

組織戦略を成人発達理論を軸にすると整うのではないかという話

最近考えているのが、組織戦略の目的を「発達すること」に置くと上手くいくのではないかということです。組織や事業がうまく行かないのはなぜかを考えてみると、多くのケースでリーダーが複雑な状況を統合しきれなくなったことが要因ではないかと思えるからです。市場環境が複雑になり、メンバーも多様性が増す中、チームを率いるリーダーが社内外の複雑さに対処しきれないように見えるのです。特に、従来型のリーダーシップスタイルである「自分が一番わかっているはず」型のリーダーに顕著に現れているように見えます。

複雑な環境で戦略を立案・実行するには、メンバーの視点を取り入れながら試行錯誤し続けることが重要です。そのためにはリーダーの精神的な発達が必要です。自らを客観視し、自分自身の実力と限界を知りながら、多様な視点を取り入れゴールに導くことができるようになるからです。さらにリーダーだけではなくチームのみんなが発達すると、相互に多様な視点を取り入れるようになり、より複雑なものに対応する組織が成立します。以上から、複雑な環境で素早く対応するためには、組織戦略の目的を「発達すること」に置くと良いと考えたのです。

発達とは何か

何度かこのブログでも書いているのですが、発達とは「われわれ成人が、迷い、葛藤、達成感などの多様な経験を通じて精神的に学び、成長していくプロセスのこと」です。発達することはビルの高さに例えられますが、発達段階が高まることでより遠くの景色が見えるようになります。さらに、物事を客観視する力もつくため、多面的に物事を認識することができ、より複雑なものにも対応できるようになります。

組織戦略と発達の関係

現時点で頭の中で描いている発達段階を軸にした組織戦略の全体像を図示しました。

組織戦略と発達段階と理論
組織戦略と発達段階と理論
まず、長丸で囲ったのが、組織戦略の打ち手です。対象が個人か組織か、また発達段階がどのレベルかに応じて変わります。次に平行四辺形の3つは組織戦略の打ち手のベースになる理論です。この理論的背景を捉えているかいないかによって、精度がぐっと変わると考えています。色が濃くなるほど深みが増しますが、精神性の要素が強くなるので、抽象度が高まるように感じるかもしれません。

まとめ

来年は「発達すること」をベースに組織戦略を再構築することにチャレンジします。上に描いた全体像を個別にブレークダウンしていく感じです。やっとここまで統合できる段階に発達してきたのかなぁと自己認識していますが、もう少し先のsoulレベルも知ってみたいものです。そのためには心を整え、よく生きることですね。

正社員→個人事業主→ひとり法人を経たメリットとデメリット

タニタさんが正社員から個人事業主への契約転換を推奨する記事がありました。
www.nikkei.com

この記事を読んだときに、まさに僕のことではないか!と思ったので、実際に正社員から個人事業主になり、その後法人設立に至った経緯を振り返ります。今後、このような働き方を検討されている方の参考になれば幸いです。

正社員から個人事業主になったメリット

僕の場合はハーフランス制度ということでスタートしました。簡単に言いますと正社員時代と変わらず組織に対する期待役割(成果)をコミットしつつ、働き方を雇用契約から業務委託契約(準委任契約)に変えるということです。ちなみに報酬は正社員時の給与☓1.15です。その理由は、個人事業主になることで社会保険料の負担が増えるのを実費として上乗せしたからです。
このような感じでスタートした個人事業主としての働き方ですが、正社員のときと比べると、次のようなメリットがあります。

  • 時間の使い方の裁量が増える
    • 残業したら割増賃金が発生する、や、日曜日(法定休日)は働いてはいけないなどの制約がなくなる
  • 自分の可能性を試す機会が増える
    • 一個人に対して、他社さんから組織支援の依頼があり、実際に支援ができている

オズビジョンでは自律型勤務制度という月に1分でも働くと給与が満額支給される制度があるのですが、それに比べても一層裁量が委ねられました。一方でデメリットもありましたので、合わせて共有です。

正社員から個人事業主になったデメリット

  • 税負担が想定外!
    • 個人事業税が発生し、可処分所得はマイナスになったかも(ちゃんと検証していませんが…)

メリット・デメリットありますが、総じて個人的にはプラスだったと思います。一番大きいのは自分の可能性を試す機会が広がり、一つの組織の枠を超えたチャレンジができたことです。具体的には他社のチームビルディングのファシリテーションや、経営者に対するコーチング、大学の授業のアシスタントなどなど、自社だけではできない体験を通じて学びを深めることができました。

これは自組織にもメリットがあります。例えば、ファシリテーション機会が増えスキルが高まると、自組織での実践にも応用できるからです。僕の場合はさらに個人事業主から法人成りをしたのですが、そのメリット・デメリットもまとめますね。

個人事業主から法人設立したメリット

個人事業主から法人設立したデメリット

  • 登記やら銀行口座開設やらが面倒くさい
    • 僕の場合は管理部門を担当していたのでまだ知識がありましたが、初めての人にはちんぷんかんぷんかも
  • お金の管理が厳格になる
    • 会社のお金と個人のお金が明確に分かれるので、ちょっと手取りを増やしたいとかできない

法人成りしてまだ4か月程度なので、ここから新たな気づきがあるかもしれませんが、実体験としては個人事業主になるのであれば一気に法人設立して良いのではないかと考えています。最初はちょっと面倒くさいかもしれませんが、自分の会社を持つことで仕事に対する意識も高まりますので。

さいごに

これからはますます個の時代になると思います。個人的には所有と経営の分離から所有と経営の統合の時代へと変化すると捉えています。一人ひとりが個性と能力を発揮し、自分の価値提供できるフィールドが探しやすくなれば、もっと良い世の中になるのになと考えています。

時間や場所を選ばない働き方ができるインフラは整っています。みんなでもっとチャレンジしてワクワクした世界を実現していきたいですね。

自分や他人の「良いところ」と「もっと良くなるところ」に気づくワークショップの話

相変わらず超久しぶりにブログを書きます。今日はハロウィンでした。
僕も渋谷のハロウィンにちょこっとだけ参戦しフラッシュモブをしてきました。うんちマンと一緒に渋谷のゴミ拾いをしながらの1時間。笑顔にあふれるとても気持ち良いハロウィン体験でした。
www.unchiman.net

さてさてそろそろ本題ですが、今日は社内でワークショップを行いました。目的は「個性と能力を発揮しやすくする」ことです。なぜ個性と能力の発揮が大事かというと、人には誰しもその人が持っている資質やそこから発揮される強みがあります。自分の能力の中核となる良いところや、もっと良くなるところに気づくことでパフォーマンスが最大化すると考えているからです。

では、どうやったら、パワーの源泉となる良いところや、もっと良くなるところに気づくことができるかですが、パワフルなフレームワークジョハリの窓 - Wikipediaがあります。Wikipediaでは、「コミュニケーションにおける自己の公開とコミュニケーションの円滑な進め方を考えるために提案された考え方。」とありますが、ぼくはちょっと違った視点で捉えました。

ジョハリの窓は発達を促すフレームワークでもある

ジョハリの窓をご存じない方もいると思いますが、ジョハリの窓とは「自分が知っている / 知らない」「他人が知っている / 知らない」を4つの象限にわけて考えます。

  • 自分が知っている、かつ、他人が知っている:公開の窓
  • 自分が知っている、かつ、他人が知らない:秘密の窓
  • 自分が知らない、かつ、他人が知っている:盲点の窓
  • 自分が知らない、かつ、他人が知らない:未知の窓

では、なぜジョハリの窓が発達を促すかですが、結論から言うと、自己認識力が高まるからです。この点をもう少し説明します。

発達するとは無意識が意識化すること(と僕は考えている)

人間性が発達するとは、無意識的に行っていたことを意識できるようになることと捉えています。例えば、自分が気づいていなかったことを捉えることができるようになることです。そのためには、まずは自分自身を認識する力を高めることからだと考えています。
ジョハリの窓では、自己開示をすることで秘密の窓が小さくなり、他者からのフィードバックを受けることで盲点の窓が小さくなると説明します。すなわち自己開示とフィードバックが公開の窓を広げます。公開の窓が広がるとは、未知の窓が小さくなることで、結果的に自己認識力が高まります。すなわち発達することにつながるのです。

僕の場合はどうだったか

実際に同じチームの仲間からフィードバックしてもらった結果がこちらです。

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まつださんのジョハリの窓

左側の象限(自分が知っている)は予め記入しましたが、右側の象限(自分が知らない)を追記してもらいました。チェックは「これ知っているよ」にマークしたものです。ワークショップを終えての気づきは3点ありました。

  • 自分でもわかっているが、言われるとそうそうと思うことがあった。
    • 「がんこである」とか。
    • 「まずは計画する。その後丸投げ感ある」とか。
  • 「ゴールの作り方はうまいが、ゴールをたくさん作ってしまう」というフィードバックからやりたいことがたくさんあることが判明。それを受けて2つのアクションに落とし込む。
    • フォーカスすることを意識します。
    • ゴールから実行計画に落とすときにもう一段階ブレークダウンします。
  • 「あえて空気を読まない」という指摘があったが、本当に「あえて」なのか!?
    • 自分でも認識しているが、「あえて」ではなく「素」な気がする

まとめ

ということで、良いところやもっと良くなるところに気づくワークショップの話でした。終わったあとにみんなで話したのですが、まだ自己開示が進んでいないチーム(例えば入社直後のメンバーがいるなど)でも有効と思います。(なぜなら、相互理解が進むため)
7人でも1時間30分あればできる投資対効果の高いワークショップですのでぜひみなさんもお試しください!

【参考】ワークショップの流れ

  1. 事前にシートを配布し、「自分が知っていること」(左側の半分)と今回参加しない人から「自分が知らないけど他人が知っていること」を埋めてもらう。
    • 「強み」と「もっと良くなるところ」の2つの視点で。
  2. A3に印刷したシートを持ち寄り、一人3分で回し、盲点の窓にひとりずつフィードバックを記入する。
  3. 全員からのフィードバックが埋まったら、もう一周回して「これは同意」というコメントにチェックをする。
  4. フィードバックとチェックが終わったら、個人ワークに移り、「発見、気づき」を記入する。
  5. 「発見、気づき」が埋まったら、今後の改善アクションに落とし込む。

社内イベントは組織の活性化に有効なのか

2019年8月吉日、オズコレ 2019 Summer というファションショーが開催されました。中央にはレッドカーペットが敷き詰められ、パリコレを凌ぐかのような力強さを感じます。わたしたちオズビジョン社員は決して暇なわけではありませんが、このイベントにはかなりの熱量を注いできました。

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社内をファッションショー会場に装飾

ふと我に返った瞬間「なぜ、わたしたちは忙しい中でも社内でファッションショーを行ったのか」という問いが降りてきましたので、一連のプロセスを振り返りたいと思います。

ファッションショーの目的

オズコレ 2019 Summerは、以下のPS-Fit(Problem/Solution Fit)仮説に基づき、直感と科学的根拠を織り交ぜながら実施が決定しました。

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社内の現状をJOB理論のフレームワークで整理

中途入社が増え、新しい人のことがよくわからないという状況に対し、部門を超えた交流をすることで、関係性の質を高めたいというニーズがあったのです。職種や部門を超えた同僚との一体感を提供価値とするソリューションとして、夏祭りコスプレ(通称オズコレ)を実施する意思決定をしました。

始まりは目標設定から

オズコレはただのファッションショーではありません。やるからには目標設定をしました。業務で慣れ親しんだOKR(Objectives、 Key Results)を使いました。

Objectives:職種や部門を超えた同僚との一体感

  • Key Result1:オズコレへの参加に二の足を踏んでいる人に薦めたいと思うNPSが50
  • Key Result2:今まで一度も話したことがなかった人と5人以上話す
  • Key Result3:直近1か月で話してなかった人と5人以上話す

※ NPSとは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略

当日の様子

写真をご覧ください。

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エレガントな着こなしでパリコレを彷彿させるようにランウェイをGo

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全員でゲゲゲの鬼太郎(一人はリモートで鼠小僧に!)

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ブルゾンともみwithレインボーマンクレドをもう体現できてるなんて思ってない?」

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イケメンが浴衣姿を決めながら秀逸なキャッチコピーの決めセリフ

日々の業務が忙しい中、たくさんの社員が積極的に参加してくれて、大変盛り上がりました。

実施後の振り返り

ショーの終了後には、運営を行った事業推進部のメンバーで振り返りを行いました。KPT(Keep、Problem、Try)で振り返った結果、以下のProblemが出されました。

・なんか異常に疲れた
 ┗パツパツ感
 ┗当日のバタバタ
 ┗企画者と自チームリーダーの2足のわらじ
・出社ができず戦力にならなかった
・オペレーションの詰めが甘い
 ┗音響、映像、どこまで標準設備があるのか。使う機材がバラバラだったため機材トラブルがあった。
 ┗実際の人の動き(着替え、登場、終わったあと)のシミュレーション
 ┗リモートメンバーの見え方
・時間不足
 ┗人数が増えてきたので、全員参加型の場合は2時間必要かも…
・事推メンバーの名前を使ったことで、自動的にリーダーになってしまった感
 ┗上記により、wkwk全体と自チームのWで準備する必要があった
・┗事推メンバー内で、準備負担の偏り発生
・諸々決まってからのアナウンスでよかったのではないか(そうなると日程をずらす選択肢もありだった?)
・リモートメンバーがBest~をとった際の対応決めてなかったよね…
・予算が足りず、足が出たチームが複数あり
 ┗チーム予算が若干少ない(5000円ぐらいがBEST?)
・自チームが待機している間や写真撮影をしている間は他チームのパフォーマンスが見れていない
・温度感がバラバラで全く協力しない人がいた
・個人的に結果発表を直接聞けないのが残念でした
・お盆前で参加者が少なかった
・食事をする暇がなかった
・一体感をあげるというのが、本当にこの施策なの?という声があった
 ┗トップダウン感強かった?
・リモートチームや社内資料としても、カメラ係が欲しい。映像を残す、写真をいい感じに残す文化の定着

※ 事推とは事業推進部のこと

このようにたくさんの課題が上がりました。そして課題を踏まえて以下のような議論が起こりました。

まずはじめに「そもそもこのような負荷の高い社内イベントは必要なのか」という問いです。この問いに対しては「負荷が高いことは本当に問題なのか」というさらにもう一段階深掘った問いが投げられました。一見すると業務に全く寄与しない社内イベントではあるが、このような取り組みを楽しむことができるかがオズビジョンの文化に影響を与えているのではないか。また、このような取り組みを通じて組織と個人の一体感を確認することが組織文化の発展につながるのではないか、と議論が続きました。

事業推進メンバー内でも賛否両論、侃々諤々の議論となりましたが、この問いには答えが出ませんでした。ただ僕個人の意見としては、この議論すらも健全な組織文化を発展させていくために必要なことであり、またもう一つオズビジョンらしい文化の濃さにつながったのでないかと確信しています。とはいえ、スケジュール管理が甘く、オペレーションが詰めきれなかったのは僕の問題ですので、この場を借りてお詫びいたします。

そして、オズビジョンでは一緒に働くメンバーを募集しています!
社内イベントも目的意識を持って全力で取り組むオズビジョンに興味がある方は、お気軽にご連絡ください!
www.wantedly.com

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フィナーレの集合写真!

理想の組織のゴールイメージと契約形態・発達段階の話

前回は個人の働き方のゴールイメージについてまとめましたが、拡張して組織のゴールイメージを描いてみました。
結論から言うと、正社員だけの組織は成立しなくなると考えています。これは派遣社員を雇用することで人件費を変動費化するというようなレベルのことを言っているのではありません。社会システムの変化を前提とすると、正社員だけの能力で事業継続するのは難しいという話です。以下にざっと書きます。

組織のゴールイメージ

  • 前提1: 既存事業と新規事業が併存する組織
  • 前提2: 戦略パレットの4象限のうち、不確実性の高い2象限に該当する

一般的に既存事業は市場成長率が逓減し、キャッシュフローを安定的に稼ぐことが求められます。その場合、採るべき戦略はクラシカル戦略です。クラシカル戦略に求められる戦い方は「持続可能な競争優位」です。組織において大切なことは理念や自己実現できる環境になります。戦略の意思決定はトップダウンで資源をフォーカスします。

新規事業はすばやく適応し続けるアダプティブ戦略です。試行錯誤を繰り返し、フラット&アクティブなリーダーシップスタイルが適しています。継続的な実験を繰り返し、早く失敗する能力が大切です。

このような2つの戦略を両利きで遂行する組織ってどうなるのだろうかを考えました。結果、組織で働く人の役割は「経営係」「試行錯誤型イノベーション係」「累積的イノベーション係」の3つに分類されました。「係」としたのは、なんとなくその方がマイルド感が出るためです。経営は偉いわけでもないので得意分野の違いだけだよということをアピールするためにそれぞれに「係」をつけましたた。

経営係

経営係は文字通り経営する人です。中長期の全社方針や事業ドメインの選択、全社戦略や組織戦略など、数年単位に影響を及ぼす意思決定を行います。

試行錯誤型イノベーション

新規事業を担当する人を想定しています。日々の業務で継続的に実験が求められ、自律した人材によるセルフマネジメントが必要です。正解が何かわからない中で仮説検証をぐるぐる繰り返し、3歩進んで2歩下がるような仕事の進め方です。

累積的イノベーション

既存事業を担当する人を想定しています。オペレーション業務*1を最適化するため、常に改善・改良を行い続けます。業務は専門化し、細分化されます。任された範囲は権限委譲を進めることでモチベーションUPにつながります。

役割ごとの雇用形態と発達段階

ここからが本題ですが、係ごとの雇用形態と発達段階*2を定義するとしっくりと整理できました。

経営係

経営係の雇用形態は、取締役(雇用契約ではありませんが…) or 業務委託が良いと思います。発達段階はティール以上の方がフィットする役割です。そもそもティールの発達段階にある人は会社組織で働くことが適しておらず、制約が苦手です。したがってすでに正社員で働いていない可能性が高くなります。そして、かなりの権限と裁量が委譲された状態ではないと力が発揮できません。
会社の視点では、権限委譲を進めすぎると好き勝手にされるリスクがあります。実力が伴わない場合は組織に壊滅的なダメージを与える可能性もあります。両者のニーズを考えると、いつでも双方から解約を申し入れることができる雇用形態が適していると考えます。

試行錯誤型イノベーション

試行錯誤型イノベーション係の雇用形態は、業務委託契約 or 期間の定めのある雇用契約です。発達段階はグリーン〜ティールの方がフィットします。自律が求められる働き方のため、発達段階が低い人には適していません。また、新規事業で何が起きるかわからないので自らの人生に自ら責任を負えるだけのマインド・スキルが必要です。
会社の視点では、新規事業は不確実性が高く、人件費を固定化したくありません。そうなると、変動費化できる契約形態のほうがリスクヘッジできます。

累積的イノベーション

累積的イノベーション係の雇用形態は、正社員です。発達段階は〜グリーンがフィットします。オペレーションの洗練が求められつつ、権限委譲を通じて自己実現を追求します。自分の人生ビジョンと、事業・組織のビジョンとのフィット感が大切です。
会社の視点では長期的にコミットし続けてもらうことで、組織能力が高まります。今の日本では雇用を安定化する正社員がフィットします。

まとめ

これまでの話をまとめると、以下のとおりです。

役割  対象領域 雇用形態 発達段階
経営 全社 取締役 or 業務委託 ティール以上
試行錯誤型イノベーション 新規事業 業務委託 or 期間の定めのある雇用契約 グリーン〜ティー
累積的イノベーション 既存事業 正社員 〜グリーン

正社員からフリーランスの流れが進むのは社会システムの変化の影響が大きいと考えていますが、試行錯誤型のイノベーションは正社員のみでは難しいと思います。ここまでの話は戦略で言うポジショニングの話でしたが、どう実現するか(ケイパビリティ)のほうが大切だと捉えています。多様な雇用形態の方が入り混じっても組織としての軸をぶらさないだけの組織開発力が超重要ということです。

もう少し練り上げてから続きを書きたいと思います。

*1:オペレーション業務はイノベーションと比べて軽視されがちですが、決してそんなことはありません!

*2:発達段階は高ければ良いと捉えられがちですが、単純に違うだけです。高ければ良いものではありません!